【MRI認定 57】腎障害患者における肝MRIの造影剤使用について

超常磁性酸化鉄造影剤(リゾビスト)の製造販売元であるネオクリティケア製薬株式会社が破産してしまい、リゾビストは今後使えなくなる可能性があります。

在庫はまだあるようですが、それも無くなれば出荷も停止されます。

磁気共鳴医学会でも公表されておりますが、初めは他メーカーさんに教えていただき、在庫も数ヶ月後には無くなる見込みと聞きました。

この状況を踏まえて磁気共鳴医学会で腎障害患者における肝MRIの造影剤使用について以下のように推奨されています。

目次

推奨

以下の症例ではGadoxetate disodiumu(ガドキセト酸ナトリウム)を含むガドリニウム製剤の使用は、可能な限り回避することが望ましい。

①長期透析が行われている終末期腎障害
②非透析例で推算糸球体濾過量(eGFR)30ml/min/1.73m2未満
③急性腎不全

代替検査として非造影MRIを行う場合、以下を含めることが推奨される。

①T1強調像:dual echo法もしくはDIXON法によるin phase/oposed phase
②T2強調像:呼吸同期脂肪抑制 FSE-T2強調像と呼吸停止下single-shot FSEのT2強調像を推奨
③拡散強調像
※SSFPやheavilyT2強調像、DIXON法のwater imageも適宜追加すると良い。

やむを得ずガドリニウム造影剤を使用する場合は、ACRのNSFリスクグループⅡの製剤を選択する。→Gadoteridol 、Gadoterate 、Gadobutrol 、Gadoxetate disodiumu
(ACR:American College of Radiology)
(NSF:Nephrogic Systemic Fibrosis腎性全身線維症)

ただし、eGFR 15ml/min/1.73m2未満や透析患者ではNSF発症リスクがより高いと推測されるため留意する必要がある。

繰り返し投与が必要な場合は、可能な限り投与間隔を延長し、7日以上、少なくとも2.5日以上の間隔を空けることが望ましい。また、Gadoxetate disodiumuの繰り返し投与に関する十分なエビデンスは存在しない点に留意すること。

欧文一般名一般名総称名
Gadoteridolガドテリドールガドテリドール
Gadoterateガドテル酸メグルミンガドテル酸メグルミン
Gadobutrolガドブトロールガドビスト
Gadoxetate disodiumuガドキセト酸ナトリウムEOBプリモビスト

 

このガイドラインは9月30日に出されたものなので今年の試験には出題されないかもしれませんが、念のため記事にしておきました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA

目次