頸椎側面撮影のコツ

僕が新人のころ特にニガテだった撮影が頸椎の側面撮影でした。

今は17×17サイズのFPDに照射野を絞って撮影していますが、当時は四切もしくは六切サイズのカセッテに撮影していました。

技師なりたての頃はよく歯突起や棘突起が欠けた画像を撮ってしまい、さらに前屈・後屈などの動態撮影をするとなおさら難しかったです。

当時の撮影はこんな感じです。ほんと下手クソでした。再撮影してしまった方には本当に申し訳ないです。

そこで絶対に失敗しないポイントがないか色々考えいくつかまとめてみました。
と言ってもわりと当たり前なんですが当時はとても大切にしていました。

また今回の説明は四切カセッテを使用していると仮定しますね。

まずはよく教科書に載っている基本事項について。

目次

基本の撮影方法

基本

患者さんは坐位または立位で側位とし、中心X線は第4頸椎に垂直。距離は1.5〜2m。

入れ歯、ピアス、ワイヤー入りのマスク、ヘアピンなどは外してもらう。

気をつける所

頸椎の歯突起、棘突起、椎体を欠けさせず、第1胸椎(T1)までを含めて画像にする(全頸椎を含める)。

斜位にならないようにする。

失敗しないためのコツ

その1 カセッテ位置

撮影の流れとしては”正面撮影→両斜位撮影→側面撮影”となるので、おそらくカセッテは側面にしては若干上方にあると思います。(正面、斜位では頭側に15度振るため。)

側面撮影は垂直入射のためそのままカセッテの高さを変えずに撮影するとC7を欠いてしまうかもしれません。

そのため患者さんを側面にしてからもう一度カセッテの高さを決定します。

頚椎の上部は外耳孔(耳のあな)の高さ程度です。
まず耳介の上端(耳の一番上)より少し上にカセッテ上端をセットします。

次にカセッテ左右ですが首の前後が収まるようにします。

これで照射野さえ開いていれば確実に全頸椎が入ります!

でも被曝を抑えるなければいけないので次は照射野について説明します。

その2 照射野

中心線は第4頚椎となっておりますが、今回は中心線はあまり意識せずに説明します。

理由は第4頚椎が分かりづらいから!

一応甲状軟骨などとなっていますが前屈してしまうと分かりづらいんですよね。

では照射野の合わせ方ですが、

照射野上縁は耳介上端あたり。

照射野の左右は首を含む程度。

そして水晶体は被曝に弱いので眼にはなるべく放射線が当たらないよう照射野の範囲に気をつけてください

ここで照射野下縁は説明しませんでしたが、頸椎の撮影順をもう一度考えます。

”正面撮影→両斜位撮影→側面撮影”

これがよくある流れだと思います。そうすると正面で照射野を合わせているのでそのまま照射野サイズを変えずに側面も撮影できます。上縁さえ合わせれば下縁は自動的に決まります。

もし側面で下縁も気を付けるのであれば、首すじから第7頚椎は触知することができるのでそれを参考に照射野を決めてもいいと思います。

まとめ

頚椎側面撮影を失敗なく行うには、、

カセッテは上縁を耳介の少し上、左右は首の前後を含めるようにセットする。

照射野は上縁を耳介を含むよう、左右は首を含むように絞る。

耳介と首にこだわっているように見えますが、言葉で伝えるには分かりやすいのがこの部位だっただけです。伝えたい事は外耳孔を含めれば頚椎の上部が入ってくることと、首を欠けないようにすると必ず頚椎の前後は欠けることがないということです。

中心線を決めずに撮影する方法でしたが、本来は中心線を合わせるべきだとも思います。経過観察などで毎回同じ写真を提出するためには中心線が大事なのかもしれません。

ですが、頚椎撮影は距離をとるため中心線の微妙なズレはあまり反映されないと考えます。距離が近ければ半影の出方なども大きく影響してきますが距離が1.5〜2mほどもあれば気にならないと思います。

また、今回お伝えした方法でも中心がだいたい第4頚椎あたりになるのでその点においても問題ないと思います。

新人時代に考えた方法、こんな感じでした!

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