正面の撮影はさほど難しくないと思いますが、再撮影の一番の原因は下顎と後頭隆起が揃わないことではないでしょうか。今回はそこについてお話しします。多分結構同じ方法でやっている方多いと思いますが。
また四切カセッテを使用する前提とし説明しまので、立位ブッキーなど大型のFPDを使用している施設ではカセッテの位置合わせは飛ばしてもいいと思います。
では基本事項から
基本事項
基本
患者さんは立位か坐位で若干上を向かせる、管球は頭側に15度ふる、距離は150cm程度。
中心線は甲状軟骨。
チェック項目
下顎と後頭隆起を一致させる。
斜位にならないよう真正面を向かせる。
失敗しないためのコツ
その1 カセッテ位置
カセッテを背にして患者さんを位置させ、カセッテ上縁は患者さんの眉毛ほどの高さにセットする。左右は患者さんの中心くらい。
これで頚椎が欠ける心配はありません。
その2 照射野を合わせる
ポジショニングの前に管球角度と照射野を合わせてしまいます。
① まず適当でいいので患者さんに少し上を向いてもらいます。そうすることで中心線とする甲状軟骨(喉頭隆起)の位置が分かりやすくなります。
② 次に管球角度を15度頭側にふり、喉頭隆起に合わせます。
③ 照射野上縁は外耳孔を含む高さに、左右は首の皮膚面くらいまで絞って大丈夫です。
※絞り過ぎて左右欠けないように注意
その3 アゴと後頭を合わせる
これで最後の手順です。あなたは左右の人差指を準備してください。
おもむろに患者さんの真横に立ち、左右それぞれの指でアゴと後頭を触らせてもらいましょう。
そうすると、照射野ライトにより右手と左手の影がカセッテに投影されます。
指はアゴと後頭に触れたまま、それぞれの影が重なるようにアゴの上げ具合を調節します。
要するに、”左右の指の影が揃う=下顎と後頭隆起が揃う”ということです。
この方法は指でなくペンとかでもいいと思います。
まとめ
カセッテを眉毛の高さにセット。
管球を頭側15度ふり照射野上縁は外耳孔含め、左右は首を含める。
アゴと後頭を揃えるために調節する。
ここを押さえとけば失敗は少なくなると思います。
あと、一番最後に患者さんの首が左右に側屈したり、微妙に横を向いたりしてないかを正面に立って確認し補正するともっと綺麗に撮れます。
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