【MRI認定 39】核磁気モーメント

第17回の6問目で出題されていた問題に対しての解説です。

核磁気モーメントはMRIの勉強でも序盤で出てきますが仕事に全然関係ないためないがしろにされがちです。

問題が出てきてもとりあえず”奇数”という選択肢を選んでおけば正解しますし。

僕も正直あまりちゃんと理解しておりません。

なのでとりあえず簡単に復習していきます。

目次

はじめに

原子には原子核があり、その原子核は陽子中性子から構成されています。

とりあえず前置きとしてそれぞれの性質は以下に。

そして陽子と中性子はそれぞれアップクォーク、ダウンクォークという素粒子から構成されています。

陽子はアップクォーク2、ダウンクォーク1から。中性子はアップクォーク1、ダウンクォーク2から。

その性質は以下となります。

陽子と中性子の電荷について

陽子はアップクォーク2つ、ダウンクォーク1つなため
(+2/3) + (+2/3) + (-1/3)= +1 となります。

中性子はアップクォーク1つ、ダウンクォーク2つなため
(+2/3) + (-1/3) + (-1/3)= 0 となります。

最初の表の通りですね。

次は重さについて

陽子よりも中性子の方が重いと言われていますが、ダウンクォークがアップクォークよりも重いためにダウンクォーク2つから構成される中性子の方が重くなります。

磁気モーメント

陽子も中性子もスピン核運動量Lを持っており自転しています。

それらは回転することで円電流が発生し磁場を形成します。
(陽子は電荷を持つため、中性子は電荷は0ですがuとdにより構成された内部は磁場が不均一となっているため円電流を発生させるなどと考えられています)
そしてその磁場に相当する磁気モーメントを持つこととなります。

ちなみに陽子の磁気モーメントは1.41×10-26J/T、中性子の磁気モーメントは-0.97×10-26J/Tです。(実測値)

ここで磁気モーメントは以下で表せます。
磁気モーメントμ=qL/m q:電荷 L:角運動量 m:質量

例えばこれを陽子について計算すると実測値とかけ離れた0.51×10-26J/Tという値となります。(理論値)
この実測値と理論値が大きく異なる磁気モーメントのことを異常磁気モーメントと言います。陽子だけでなく中性子も実測値は理論値とかけ離れているため異常磁気モーメントと呼ばれています。

 

ここまでは前置きとしていよいよ本題の磁気モーメントの大きさについて

例として1H、2H、3Heの磁気モーメントを見ていきます。

1Hは陽子1個。2Hは陽子1個、中性子1個。3Heは陽子2個、中性子1個で構成されます。

2Hの磁気モーメントは陽子と中性子の差分の分だけとなります。3Heは2個ある陽子が打ち消し合い残った中性子の分が磁気モーメントとなります。
一番大きいのが1H、二番目に3He、三番目に2Hとなります。



出題について

第17回-6
核磁気モーメントが最も大きくなるものを選べ。ただし、中性子は陽子よりも小さい磁気モーメントを有し、原子番号および中性子数をそれぞれ Z および N とする。

1. 大きいZ
2. 少ないN
3. ZとNが同数
4. ZとZ+Nが奇数
5. Z および Z+N が偶数

 

「中性子は陽子よりも小さい磁気モーメントを有し」は磁気モーメントは陽子の方が大きく中性子の方が小さいので理解できますね。

原子番号Zは要するに陽子の数、Nは中性子数、Z +Nは質量数です。

以上を踏まえて第17回の問題を解いてみます。

1. 大きいZ

Zは陽子数をも表しますが、陽子がいくら多くても偶数個ある場合は結局打ち消されてしまいうため×となります。

いくら大きくても小さくても奇数なら最大で陽子1個の磁気モーメントとなります。

2. 少ないN

中性子も偶数の場合打ち消されます。中性子が少なくても大きな磁気モーメントにはなりません。

3. ZとNが同数

陽子と中性子の数が同じ場合です。

これはお互いに偶数個あるときとお互いに奇数個あるときの2パターンありますが、お互い偶数個の場合は全て打ち消されて磁気モーメントはなくなります。お互い奇数個の場合は陽子の磁気モーメントから中性子の磁気モーメントを引いた分の磁気モーメントとなります。

4. ZとZ+Nが奇数

これは陽子が奇数で質量数も奇数の場合です。

陽子が奇数のため中性子は必然的に偶数となります。そうすると中性子の磁気モーメントは全て打ち消され陽子の磁気モーメントが残ります。

1の問いも最大で同じ磁気モーメントとなりますがあちらは磁気モーメントが小さくなったり無くなる可能性も含むため磁気モーメントの大きさが確定しているこれが正解と考えていいかと思います。

5. Z および Z+N が偶数

陽子が偶数で質量数も偶数の場合です。

陽子が偶数のため中性子は必然的に偶数となります。陽子の磁気モーメントは全て打ち消され、中性子の磁気モーメントも全て打ち消されます。

 

以上より4が正解となります。

 

今までの問題には無いタイプの出題でしたね。

 

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