用語
データ収集時に静電気が発生すると画像に格子状のアーチファクトが生じる。
解説
スパイクアーチファクトなどとも呼ばれます。
ヘリンボーンとは模様の一種のことであり、開きにした魚(ニシン)の骨に似ているところから来ています。
※Herring:ニシン、bone:骨
↓これです。
MRI画像上では名の通りヘリンボーン柄、格子状などで現れます。
発生原理
MRI画像はk空間の画像を逆フーリエ変換することで画像を作成しています。
しかしここでデータ収集中に静電気の放電などによりk空間に高エネルギーの信号ピーク(スパイク)が加わると、作成されたMRI画像にアーチファクトが現れます。
原因
傾斜磁場コイルに電流を流すとフレミング左手の法則によりローレンツ力が発生し振動が起こります。(→騒音について)
これによりMRI装置周囲の金属製部品に機械的変動や渦電流が生じます。
MRI装置の部品などが正しく固定されていない場合、傾斜磁場コイルからの振動により、MRI装置の部品間に電位差が生じます。
そしてMRI検査室内で発生した静電気が撮像中に放電し受信されるとスパイクが生じ、アーチファクトの発生原因となります。
対策
静電気の発生を抑えることが対策となるため、検査室内湿度を一定に保つこと(乾燥させない)が大事となります。
僕の働いている施設では静電気除去スプレーを用意しています。ほとんど使ったことはありませんが。。
また、装置自体に原因がある場合もあるため発生原因をつきとめられない時はサービス担当者へ連絡することがおすすめです。
問題
29)アーチファクトが発生している MR 画像を示す。正しいのはどれか。3つ選べ。
1. 被検者の着衣を確認する必要がある
2. 撮像室外からの電磁波侵入が疑われる
3. 被検者がヘアピンをつけている可能性がある
4. Herringbone (multiple spikes)アーチファクトを認める
5. 傾斜磁場コイルを固定する部品が緩んでいる可能性がある
1.○静電気が発生しやすいものがないか
2.ジッパーアーチファクト
3.メタルアーチファクト
4.○データエラーによる
5.○傾斜磁場コイルの振動が関与する
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