SWI

目次

用語

Susceptibility Weighted Imaging = 磁化率強調画像
単にT2*をより強調したものではなく強度画像に位相画像を乗じて画像化する
3D GREを用いて高分解能で撮像する
血流による位相変化を抑制するために3軸に流速補正を行う

解説

SWI画像の処理

ハイパスフィルターをかけ低周波成分を除去する

磁場不均一性による低周波成分を除去することで、磁化率差による位相変化のみが残る。

位相マスク画像の作成

位相変化の大きい部分が低信号となるようにマスク画像処理を行う→磁化率変化の大きな部分のみ低信号となる画像。

③位相マスク画像と信号強度画像の掛け合わせ

位相マスク画像と信号強度画像を複数回掛け合わせることで磁化率による信号変化を強調した画像となる。(4回掛け合わせる)
位相ズレは乗算するほど強調される。

最小値投影法(minIP)による再構成

3D撮像から得られた複数枚のthinスライスをmIP表示とし、静脈の連続性を見やすく表示する。

ゴロ

配牌からイーソウ切って賭けに出て小三元
①ハイパス②位相マスク③位相と強度の掛け合わせ④最小値投影法

過去問

問題 1  抗アミロイドβモノクロ-ナル抗体製剤投与に関連するアミロイド関連画像異常(ARIA)について正しいのはどれか。2 つ選べ。

1. ARIA-E は T2 強調像で評価する。
2. ARIA-E は脳実質における血管原性浮腫を意味する。
3. ARIA-H は T2* 強調像または SWI で評価する。
4. ARIA-H は脳実質における微少出血を意味する。
5. ARIA の発現は製剤投与から 14 週以内に多い。

1.×FLAIR画像
2.×脳実質における血管原性浮腫と脳溝における滲出液貯留
3.○
4.○
5.×ARIA-Eの70%が投与開始3ヶ月以内、92%が6ヶ月以内に発現し、血管透過性の亢進が収まると間質液が吸収されて浮腫性病変は退縮してくるためARIA-Eの80%は4ヶ月までに消失する。ARIA-Hでは赤血球を貪食したマクロファージが容易に消失しないことから長期間遺残する。
問題1は新しい内容で選択肢が難しいです。確実に正解と思われる3、4を○としました。

20-問題 26 SWI について正しいのはどれか。2 つ選べ。

1. 動脈系の描出に適している。
2. 磁化率による位相差の違いを強調している。
3. 最小値投影画像では石灰化と出血の鑑別ができる。
4. 血流の位相分散を促進させるために流速補正は使用しない。
5. 微量な鉄沈着やデオキシヘモグロビン量の違いを描出できる。

1.×静脈系
2.○
3.×
4.×血流による位相変化を抑制するため3軸に流速補正をかけている
5.○

19-問題 18 T2*強調像について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 磁化率効果は静磁場強度に比例しない。
2. TEを延長することで磁化率効果は小さくなる。
3. 過去に発症した脳内における無症候性微小出血の検出に優れる。
4. 局所的な磁場不均一による磁化率差を強調した撮像法である。
5.SWIは位相画像にフィルター処理を加えて高周波成分の除去を行う。 

1.×比例
2.×TEを短縮して位相分散の影響を小さくする。
3.○
4.○
5.×ハイパスフィルターにより低周波成分の除去をする。

18-問題9 SWI について正しいのはどれか。

1. 流速による位相シフトの影響を受けやすい。
2. 強度画像を用いて石灰化と出血の鑑別ができる。
3. 位相画像に対しローパスフィルタを用いて補正する。
4. 位相マスクは位相の正負のずれに基づいて作成される。
5. T2*強調画像より磁化率の変化による位相ズレの感度が低い。

1.×3軸にflow compensationを印加して血流による位相変化を抑制している。
2.×
3.×磁場不均一性による低周波成分の位相変化をハイパスフィルタにより除去し磁化率差による位相変化のみを残している。
4.○
5.×高い。

17-問題 17 正しいものはどれか。2つ選べ。

  1. H-MR spectroscopy では悪性腫瘍のコリンピークが低下する。
  2. SWI において静脈は位相変化が少ないため高信号に描出される。
  3. Driven equilibrium(DE)パルスは T2 強調や脂肪抑制に使われる。
  4. 位相コントラスト画像は Qp/Qs(肺循環体循環血流比)を測定できる。
  5. BOLD 法では相対的にオキシヘモグロビンが低下するため信号が上昇する。

1.×コリンピークは上昇。MRSピーク
2.×デオキシヘモグロビンにより信号低下
3.○FRFSE、DRIVE(T2強調)。SSRF(脂肪抑制)。
4.○PC法により可能
5.×デオキシヘモグロビンが低下し信号上昇

17-問題 38 正しいものを選べ。
DWIBS:diffusion weighted whole body imaging with background body signal suppression、QSM:quantitative susceptibilitymapping、SWI:susceptibilityweightedimaging、CEST:chemicalexchangesaturationtransfer

1. DWIBS は全身の拡散強調背景抑制法である。
2. QSM は脂肪有率を定量的に算出した画像である。
3. SWI は磁化率強調像を定量的に得る撮像法である。
4. Computed DWI は 2 つ以上の b 値を利用して任意の ADC 値を求める手法である。
5. CEST イメージングは脂肪と水のプロトン間での交換が起こる現象を示した画像である。

1.○
2.×定量的磁化率マッピング。磁化率を定量的に算出した画像であり、脳の鉄沈着を調べ認知症などに用いる。
3.×磁化率強調像を得る方法、定量的ではない。頭部において静脈の画像を得たり、外傷や腫瘍などに用いる。
4.× 2 つ以上の b 値を利用して任意のb値の信号強度を求める
5.×水のプロトンと特定のプロトン間での交換。生体内ではアミドやヒドロキシ基(内因性CEST)。他にはヨード系造影剤など(外因性CEST)。CEST

15-2) 正しい記述はどれか。2つ選べ。

  1. 基底核や視床は灰白質である。
  2. 下垂体は血液脳関門が存在する。
  3. 脳の髄鞘化は2歳までにすべて完了する。
  4. 高濃度酸素を投与していると SWI(susceptibility-weighted imaging)で静脈を過大評価することがある。
  5. 高濃度酸素を投与していると FLAIR(fluid-attenuated inversion-recovery)で脳溝が高信号になることがある。

1.○
2.×存在しない部位:松果体、下垂体後葉、視床下部、最後野、脈絡叢など
3.×シナプス形成:2〜3歳で最大に形成。樹状突起:5歳まで増加。髄鞘化(ミエリン化):20歳程度で完成。髄鞘化
4.×静脈内のデオキシヘモグロビン濃度が低下し過小評価となる
5.○

15-13) 正しい記述はどれか。3つ選べ。

  1. SWI は位相画像にローパスフィルターを施す。
  2. Synthetic MRI は脂肪抑制画像を取得することができる。
  3. フーリエ変換は deep learning によって置換することができる。
  4. MR fingerprinting では撮像パラメータを撮像毎にランダムに設定する。
  5. CEST (chemical exchange saturation transfer) MRI は MT(magnetization transfer)効果を利用している。

?
1.×静磁場不均一性に起因する低周波成分の位相変化を除去するためにハイパスフィルタを使用。
2.○1回のスキャンデータからT1値、T2値、プロトン密度の定量を行い、これらを用いて後からTR、TE、TIを設定することにより任意のコントラスト強調画像を作成可能(MAGiC)。脂肪抑制として後から脂肪のT1値に合わせてSTIRが作成可能。
3.○
4.○TRとFAを疑似ランダムに印加しTRごとに得られる軌跡をk空間に充填し画像を得る。
5.○

13-23) 撮像シーケンスに関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)

1. CISS(constructive interference in steady state)は動きに強い。
2. ASL(arterial spin labeling)で算出できるのは局所血流量である。
3. Dixon 法にて((In-phase) – (Opposed-phase))/2 を計算すると水画像が得られる。
4. Balanced SSFP(steady-state free precession)の信号強度は T1/ T2 に比例する。
5. SWI(susceptibility weighted image)で Gd 系造影剤を用いると細い静脈が見えやすくなる。

1.×動きに弱い。
2.○
3.×((In-phase)+(Opposed-phase))/2=((水+脂肪)+(水-脂肪))/2=水。減算では脂肪画像となる。
4.×T2/T1
5.○
解説(SSFP)

13-45) SWI(susceptibility weighted imaging)に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)

1. 動脈系の描出に適している。
2. 磁化率による周波数分散の違いを強調している。
3. 静磁場強度は低いほうが微細な磁化率の違いを捉えやすい。
4. ボクセルサイズは小さいほうが微細な磁化率の違いを捉えやすい。
5. 微量な鉄沈着や酸素飽和度(デオキシヘモグロビン量)の違いを描出できる。

1.×静脈系に適する。
2.×位相分散。
3.×静磁場は高い方が良い。
4.○
5.○

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