MRI認定試験過去問解説 第5回-17【前立腺】

前立腺に関しての問題です。

目次

問題

前立腺癌に関して、正しい文章を解答して下さい。

a.前立腺癌は T2 強調画像で高信号に描出されることが多い。
b.前立腺肥大症の好発部位は中心域である。
c.前立腺癌の好発部位は辺縁域である。
d.前立腺癌は拡散強調画像で高信号に描出されることが多い。
e.前立腺癌の Proton MR spectroscopy ではコリンのピークが減少し、クエン酸のピークが高くなる。

解答

c,d

解説

前立腺の解剖

前立腺は主にT2WIDWIの画像が重要となります。
場所により信号強度が異なるため解剖を知ることが大事です。

辺縁域 peripheral zone
腺組織を有するためT2WIで高信号となり癌が存在した場合は低信号となります。DWIとADCでは共に高信号ですが、癌はDWIでさらに高信号となりADCでは低信号となります。
前立腺癌の70〜75%が辺縁域から発生します。

移行域 transition zone
尿道を囲むように存在します。間質であるためT2WIで低信号となります。
前立腺癌の20〜30%が移行域から発生します。
移行域は加齢と共に増大し前立腺肥大症の好発部位となります。

中央域 central zone
射精管を囲むように存在します。腺組織でもありますが線維窓からもなりT2WIでは低信号となります。

前線維筋性間質
線維成分や筋組織のためT2WIで低信号です。

PI-RADS

前立腺では撮像方法と読影評価の標準化を行い、PI-RADSという国際的な統一化がなされています。
不要な生検を減らすこと、生死に関わる臨床的に意義のある癌の診断精度向上を目的としています。
シーケンスとしてT2WIDWIダイナミックの組み合わせにより癌存在の確信度を5段階のカテゴリーで評価します。
(PI-RADS1:非常に低い、2:低い、3:中程度、4:高い、5:非常に高い) 

基本的な癌の信号強度は、
T2WIで低信号DWIで高信号ADCで低信号ダイナミックで早期濃染となります。

PI-RADSでは区域ごとに重要とするシーケンス(dominant sequence)が決まっており、
移行域:T2WI
辺縁域:DWI
としており、ダイナミックは辺縁域におけるDWIの補助的な撮像シーケンスとして位置付けられています。
(移行域についてはT2WIとDWIにダイナミックを加えたことで検出能が大幅に改善するとは考えにくいそうです。)

今のところPI-RADSが認定試験に出ておりませんが今後出題されるかもしれませんので簡単に触れました。

2019年3月にv2からv2.1に改訂されています。

前立腺のMRS

前立腺では正常であればクエン酸ピークが認められるが、癌が存在するとクエン酸ピークは減少しコリンピークが上昇します

コリンピークは前立腺癌に限らず、細胞膜破壊と亢進で上昇するためその他癌でも認められます。

MRSについては他に出題があるため、また別の機会に詳しく説明します。

まとめ

前立腺についての問題でした。臨床でも役立ちますので覚えておくと業務でも役立つと思います。

参考書籍・文献

画像診断 vol.40 No.6 P521

 

解答に関して、今まで培った知識や書籍・文献を参考に導出したもので、私の認識不足により間違っている可能性もございます。ご理解いただいた上でご参考ください。

MRI認定試験の合格を目指している方のお手伝いができればと思っています。

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