用語
大脳白質の表層で、隣り合う脳回を連絡する。
皮質の下にあり、MRIでは「U字」に見える。
解説
白質は皮質の神経細胞から連続する神経線維からなり、白質の線維のうち隣合う脳回同士をつなぐものをU-fiberという。
U-fiberは皮質側の動脈と白質側からの動脈による二重支配となっており、虚血に強い特徴がある。
U-fiberは鉄を含むためT2WIで低信号に観察される。
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認定試験でのポイント
認定試験に直接出題されたことはありませんが、多発性硬化症の画像所見として『Isolated U-fiber lesion』があります。
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過去問
16-26)多発性硬化症の MRI 所見として正しいのはどれか。2 つ選べ。
1. Ovoid lesion
2. Dural tail sign
3. Open-ring sign
4. Eye-of-tiger sign
5. Salt and pepper sign
1.○脳室周囲や皮質近傍に散在する卵円形病変
2.×髄膜腫
3.○リング状増強効果の途中が途切れている
4.×パントテン酸キナーゼ関連神経変性症(PKAN)の鉄代謝異常により大脳基底核に鉄沈着が見られる
5.×脳挫傷、CTにおいて浮腫による低吸収と出血の高吸収が混在
多発性硬化症(MS)のその他所見
T1 black hole・・・脱髄などによりT1で低信号
Spinal cord lesion・・・脊髄炎症
Callosal-septal interface lesion/ subcallosal striation・・・脳室壁と垂直方向に広がる脳梁内病変FLAIRで高信号
Enhancing lesion造影効果・・・BBBが破綻し造影効果がある
Isolated U-fiber lesion/juxtacortical lesion・・・皮質下白質(U fiber領域)に沿って広がる病変FLAIRで高信号
Tumefactive MS lesion・・・脳腫瘍のように見える
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