【MRI認定 37】臨床MRI安全運用のための指針

日本磁気共鳴医学会により発令された指針です。

また放射線技術学会や磁気共鳴専門技術者認定機構も協力されているようです。

この指針はMRI検査がより安全に実施されるよう期待されて立てられたもので、
MRI検査において適切な安全管理が行えるよう、具体的な管理方法が提示されています。

 

過去問では第15回と第16回に1問ずつしか出題されていませんが、その流れで今回(第17回)も出題される可能性は高いと思うのでまとめてみました。

指針は全部で8項目あります。

上記はざっくりまとめたもので、
マニュアルに○がついているものはその項目に則したマニュアルの整備が必要となります。
また講習会などの定期的に参加しなければならないものは出題されやすいと思います。

 

 

こういう指針とか法律みたいなのって興味ない人からしたら勉強面倒ですよね。

よくわかります。

僕もとてもキライです。

 

では以下にまとめたので一読お願いします。



目次

まとめ

1.安全管理体制

施設内にMRI検査を管理するチームを作ること。
(安全管理責任者・安全管理担当者チーム)

チーム構成
安全管理責任者:1名の責任医師
構成員:その他の医師、診療放射線技師、臨床検査技師、看護師など

その構成員には磁気共鳴専門技術者あるいはそれに準ずる者が含まれることが望ましい。

会合は年1回以上行う
施設内での医療従事者への講習を定期的に行う。
安全管理責任者や安全管理担当者はMRIの関連団体にて安全性に関する講習会に定期的(少なくとも1年に1回)に参加することが望ましい。

2.MRI検査前の安全管理

MRI検査前における患者および医療従事者への安全管理の体制を構築すること。

問診票・患者の医療機器情報カード・金属探知機などを用いて体内植込み型医療機器、体内外金属、入れ墨等を検査前に把握し、
身体への悪影響(臓器損傷や熱傷など)を与える恐れがあるものを適切に管理する。

医療従事者および作業従事者の金属持ち込みを防止する教育および管理体制(マニュアル作りなど)を整備する。

MRI検査に重要な情報を共有する医師、診療放射線技師、臨床検査技師、看護師との連携体制を整える。

※作業従事者とはMRI装置のメンテナンス関係者および室内の修繕等のために検査室内に立ち入る作業者を指す。

3.MRI検査中の安全管理

検査中は患者の状態を監視し、必要に応じて、心拍数、血液酸素飽和度などの観察を行い、患者からの中止要請(患者緊急コール)を伝えるシステムを利用した運用体制を整えること。

緊急時のバックアップ体制を構築し、運用マニュアルを整備すること

4.安全性情報の関連学会・関連行政機関への報告を行う体制整備

安全性情報の関連学会・関連行政機関への報告を行う体制を整備すること。

(安全性情報に関しては関連学会、関連行政機関のホームページを参考とする↓)
※独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 PMDA

5.鎮静の必要な患者の安全管理

小児や閉所恐怖症の患者を含め鎮静の必要な患者に対しては、緊急時のバックアップ体制を構築すること。

(小児の場合はMRI検査時の鎮静に関する共同提言を推奨↓)
※日本小児科学会・日本小児麻酔学会・日本小児放射線学会 2020年2月23日改訂版

6.造影剤使用の安全管理

MRI造影剤の使用においては同意書を取得すること。

MRI造影剤の副作用への対応、腎性全身性線維症(NSF)防止の対策の教育や対応へのマニュアルを備えていること。

安全管理責任者や安全管理担当者はMRI造影剤に関する講習会に定期的(少なくとも2年に1回)に参加し、MRI造影剤使用上の注意改訂など、重要な情報の周知を図ること。

7.MRI装置の品質管理

始業時・終業時点検並びに保守点検を適宜実施すること。

始業時にはファントム等の撮影を行い、画質の維持・向上に努めること。

保守点検は定期的(少なくとも6か月に1回)に行われていることが望ましい。

8.非常時の安全管理

患者の安全確保、液体ヘリウムの突沸(クエンチ)への対応、地震・火災・浸水・停電などの災害への対応へのマニュアルを備えていること。

 

過去問からの出題

第15回-48

第15回-48
令和元年 8 月 5 日付で日本磁気共鳴医学会から発令された「臨床 MRI 安全運用のための指針」に関する正しい記述はどれか。3つ選べ。

1. 造影剤の使用削減を求めている。
2. 安全管理のために入室者制限を設けるように求めている。
3. メンテナンス関係者にも安全管理体制の整備を求めている。
4. 安全管理チームに磁気共鳴専門技術者を含めることを求めている。
5. 安全管理責任者に関連団体の安全性講習会に参加するように求めている。

1.×使用削減は求めていない、同意書の取得や副作用についての対応・教育など
2.×
3.○金属持ち込みを防止する教育及び管理体制の整備
4.○
5.○

第16回-50

第16回-50
日本磁気共鳴医学会から発令された「臨床 MRI 安全運用のための指針」について正しいのはどれか。3つ選べ。 

1. 安全管理チームに磁気共鳴専門技術者を含めることを求めている
2. 造影剤に関する講習会に年 5 回程度、定期的に参加することを求めている
3. 非常時の安全管理として災害への対応へのマニュアルを備えることを求めている
4. 安全性に関する講習会に定期的(少なくとも 5 年に 1 回)に参加することを求めている
5. 検査室内に立ち入る修繕作業者への金属持ち込みを防止する教育を整備することを求めている

1.○
2.×少なくとも2年に1回
3.○
4.×年1回程度
5.○

 

 

試験まであと少しですね!

コロナが気になりますが、、、

小さな勉強会などは未だオンラインばかりですが、全国学会などはハイブリッドで行われているところをみると認定試験は開催されそうな気がしますね。

追い込みしんどいかもしれませんが頑張りましょう!

参考文献

MRI安全性の考え方 第3版

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