MRI認定試験過去問解説 第5回-4【MRA】

MRAについての問題です。一般的に動脈にTOF法、静脈にPC方がよく使われます。

目次

問題

非造影MRAに関する説明について、正しい文章を解答してください。


a.下肢動脈を心電図同期2D-TOF(time of flight)法で撮像する目的は、動脈血の流入効果を低減させるためである。
b.PC(phase contrast)法を用いる場合、VENC(velocity encoding)は予想される最大流速の2倍以上に設定する必要があある。
c.心電図同期2D-TOF(time of flight)法において心拍数60bpm、位相エンコード方向のmatrix数256、1心拍当たりのデータ収集数16、加算回数1回としたときの1スライス当たりの撮像時間は16秒である。
d.3D-TOF(time of flight)法で利用されるTONE法とは、RFパルスのフリップ角を血流の流入側で浅く、流出側で深くしている。
e.2D-TOF(time of flight)法では,可能な限り目的の血管と平行な断面となるように撮像することが望ましい.

 

解答

c,d

解説

TOF

TOFとはtime of flightといい、MRIでの非造影血管撮影で最も使用されている撮影方法で主に頭部MRAに用いられています。その場にとどまっている静止組織の信号は飽和され低信号に、動いている組織(血液)は高信号になります。

シーケンスはGREを使用します。

仮にSEで撮影したら90°パルスを受けた血液は流れていってしまい信号を出せずに低信号(もしくは無信号)となってしまいます。※SEでは90°-180°パルスの両方を受けた血液が信号を出します。

具体的にはスライス厚をdとすると、血流速度vが v=d/TRを過ぎると信号は低下していき、v=2d/TE以上速くなると信号は無信号となります。

 

ここで、2Dと3Dの違いについてですが、

3Dはスラブという厚みのある体積で撮像し、スラブ全体からの信号を取得するのでS/Nが高く、高空間分解能でスライスを薄くすることができます。
デメリットとしてスラブは大きな厚みを持つため、スラブ下流側では流入効果が弱くなり描出が不良となる可能性があります。

2Dはスライス厚を薄くし過ぎるとS/Nが下がるため、十分なコントラストを得るには2mm以上が必要となります。
流入効果に関しては、3Dの厚いスラブと比較し薄い断層面で撮像するため、比較的高い効果を得られます

TONE法

3D撮像はスラブで撮像されますが、この撮像体積全体に常に励起パルスが照射されるため下流に行くほど流入効果は弱まり、血流の信号が低くなってしまいます。

これを解決するのがTONE法です。

他に可変フリップ角法やramped RFなどと呼ばれます。

上流から下流にかけてFAを増加させるのですが、例えば上流でFA10°、中流で20°、下流30°のように空間分布としては傾斜したFAを照射します。

ここで整理ですが、
①FA大→静止組織は飽和効果が大きい(信号低下大)、血流は横磁化が大きい(信号高)
②FA小→静止組織は飽和効果が小さい(信号低下小)、血流は横磁化が小さい(信号低)
 となります。

だったら常にFA大にすればいいじゃない、となるかもしれませんがそうもうまくいきません。上流で強いFAをかけてしまうと飽和効果が強すぎて下流で信号を出す余力が残りません。

話を戻して、
上流でFA小だと、静止組織の信号低下はいまいちで血流信号もあまり高くありませんが、信号を出す余力を残しています。そして下流でFAが高いことにより静止組織の飽和効果が強く血流からの余力の信号を強く出すことが出来ます。

選択肢C

60bpm=1秒間に1心拍、1心拍当たりのデータ収集16なので、1秒間に16収集できる。

位相エンコード方向のmatrix数256なので1スライス得るには256のデータが必要。

1秒間に16収集できるので、256÷16=16、16秒あれば1スライス撮像できる。

撮像時間AT=TR・Np・NSA

加算回数NSA:k空間の同じラインを何回取得したか

PC法

phase contrast法、位相コントラスト法と呼ばれ、VENCの設定次第で動脈だけでなく、静脈の撮影も可能な撮像法です。

VENC(velocity encoding)は速度エンコードであり、設定した半分(VENCの50%)の流速が高信号となり、その半分から前後25%(VENCの25%)の流速を描出できます。

例えば、VENCを20cm/sに設定すると、
5cm/s〜15cm/sの流速がコントラスト良く描出できることになります。

そのためあらかじめ目的血管の最大流速を推定し、その4/3倍にVENCを設定することで撮像可能となります。

まとめ

MRAについてでしたが撮影方法がいくつかあり原理も深いものが多く、基礎の応用的な考えが必要となります。

出題としてはよく出ますので撮影法の名称や特徴は覚えておいた方がいいかと思います。

参考書籍・文献

MRI完全解説第2版 P569
など

 

解答に関して、今まで培った知識や書籍・文献を参考に導出したもので、私の認識不足により間違っている可能性もございます。ご理解いただいた上でご参考ください。

MRI認定試験の合格を目指している方のお手伝いができればと思っています。

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