【第5回】MRI専門技術者認定試験 過去問

2010年出題、問題数40問

目次

第1部

(1) ω0 = γΒ0で表される関係について、正しい記述を選択してください。

a.磁気共鳴現象の基本を示し、ラーモア方程式とよばれる。
b.ω0は角振動数を表し、単位は 1/rad である。
c.γは磁気回転比と呼ばれる比例定数である。
d.γは静磁場強度によって異なる値を持つ。
e.Β0は磁束密度を表し、単位は Wb/m2 である。

解答
a.○
b.×rad/s
c.○
d.×核種固有、静磁場強度に依存しない。
e.○
解説解説(ラーモア)

(2) 次の記述について、正しい文章を解答して下さい。

a.Jカップリングは磁場強度に比例する。
b.自由誘導減衰信号はRFパルスにより発生した横磁化により観測される。
c.一般にMR信号はπ/2位相がずれた実部と虚部から成り立つ複素数データをもつ。
d.ケミカルシフト(ppm)は磁場強度に比例する。
e.1Hのスピン量子数は 1/2 で、磁場内に置かれるとエネルギー準位が2つに分かれる。

解答
a.×磁場強度に依存しない。
b.○
c.○
d.×ppmは比例しないがHz単位では比例する。
e.○
解説解説(化学シフト)

(3) 次のk空間のデータ充填方法を示した図において、正しい記述を選択してください。

日本磁気共鳴専門技術者認定機構 認定試験過去問

a.(1)は(2)よりも位相方向のFOVが大きい。
b.(1)は(4)よりも周波数方向のFOVが大きい。
c.(3)は(2)よりも撮像時間が短い。
d.(4)は(1)よりも撮像時間が短い。
e.(2)は(1)よりもSNRが高い。

解答
a.○
b.×変わらない。
c.○
d.×4は部分エコー法でありTEを短くできる。
e.×2はパラレルイメージングであり位相エンコードを間引いた分だけSNRは低下する。
1,基本 2,パラレル 3,EPI 4,部分エコー
解説解説2

(4) 非造影MRAに関する説明について、正しい文章を解答して下さい。

a.下肢動脈を心電図同期2D-TOF(time of flight)法で撮像する目的は、動脈血の流入効果を低減させるためである。
b.PC(phase contrast)法を用いる場合、VENC(velocity encoding)は予想される最大流速の 2倍以上に設定する必要がある。
c.心電図同期2D-TOF(time of flight)法において心拍数60bpm、位相エンコード方向の matrix 数 256、1 心拍当たりのデータ収集数 16、加算回数 1 回としたときの1スライス当たりの撮像時間は 16 秒である。
d.3D-TOF(time of flight)法で利用される TONE 法とは、RF パルスのフリップ角を血流の流入側で浅く、流出側で深くしている。
e.2D-TOF(time of flight)法では、可能な限り目的の血管と平行な断面となるように撮像することが望ましい。

解答
a.×流入効果は向上する。
b.×予想最大流速の4/3倍。
c.○1スライスあたり256分のデータを収集する必要があり、1心拍で16データ収集できるため、256/16=16。
d.○
e.×血管に対して垂直な断面。
解説

(5) 3.0T について、正しい文章を解答して下さい。

a. 物質のT1値は1.5Tより約1.4倍長くなる。
b. 磁化率効果は1.5Tより約1.4倍大きくなる。
c. 比吸収率(SAR)は、1.5Tより約4倍大きくなる。
d. RFの生体への浸透力は1.5Tより大きくなる。
e. 脂肪の共鳴周波数は水の共鳴周波数より約447Hz低い。

解答
a.×静磁場強度が上がるとT1値は延長するがその程度は物質による。
b.×2倍
c.○
d.×RFの浸透は小さい。RF波長
e.○
解説

(6) 磁気共鳴について、正しい文章を解答して下さい。

a. 1.5T の MRI 装置において、90°パルスの印加時間が 15ms であった場合、同じ出力の電磁波を用いて 180°パルスを印加するのに必要な時間は 30ms である。磁気モーメントは静磁場強度に比例するため、3.0T では 90ms の印加時間が必要である。
b. 横緩和時間は共鳴周波数幅に依存し、周波数幅は広いほど横緩和時間は延長する。
c. 縦緩和時間は静磁場強度と組織の相関時間に比例する
d. 常磁性物質が持つ不対電子の磁気モーメントはプロトンの磁気モーメントの 658 倍である。
e. 緩和効果は不対電子とプロトンの距離の 6 乗に比例する。

解答
a.×
b.×周波数幅は広いほど横緩和時間は短縮。共鳴周波数幅とT2
c.×比例しない。MRIの原理4
d.○
e.×距離の 6 乗に反比例。MRIの原理4
解説

(7) FOV20cm、スライス厚 10mm、画像加算回数 2 回、バンド幅 100Hz/pixel の撮像条件を他条件は一定で、FOV40cm、スライス厚 5mm、画像加算回数 1 回、バンド200Hz/pixel に変更した。最初の条件の SNR を 100 とすると、変更後の SNR の数値はいくらか?

1. 50
2. 70.4
3. 70.9
4. 100
5. 141

解答
1.×
2.×
3.×
4.○100
5.×


解説1、解説2

(8)インバージョンリカバリーにて T1 値 500ms の組織の信号を null にするのに最も適切なインバージョンタイム(TI)は以下のうちどれですか。ただし、TR=∞とし、ln(0.5) =-0.693 とします。

1. 173ms
2. 346ms
3. 360ms
4. 693ms
5. 721ms

解答
1.×
2.○T1値×0.693=500×0.693=346ms
3.×
4.×
5.×
解説

(9) 次の記述について、正しい文章を解答して下さい。

a. FOV 一定の場合、リードアウト傾斜磁場強度が強いほうが SNR は高い。
b. 同じ形状の RF の場合、印加時間を短縮すると励起周波数帯域は広がる。
c. スピンエコー法の 180 度パルスは横磁化成分のみを反転させる。
d. グラディエントエコー法の信号強度はピクセルサイズに影響を受ける。
e. スティミュレーテッドエコーを得るには4つの RF が必要である。

解答
a.×FOV=BW/γより、FOV一定でγが大きくなるとBWも大きくなるためSNRは低下する。
b.○
c.×縦磁化も横磁化も反転させる。
d.○
e.×3つのRFが必要。
解説

(10) SE-EPI 型拡散強調画像シーケンスについて、正しい文章を解答して下さい。

a.FOV を変えない場合、位相エンコード数によって画像歪みに変化はない。
b.画像歪みを改善するために受信バンド幅を狭くした。
c.MPG による画像歪みは起こらない。
d.受信バンド幅に関係なく実効 TE を短縮すると画像歪みは低減する。
e.拡散測定時間は ADC 値に影響を与える。

解答
a.○
b.×BWを広くする。
c.×MPGによる渦電流が影響。DWIシーケンス
d.×TEは関係ない。
e.○
解説解説(DWI)

(11) MRAの特徴について、正しい文章を解答して下さい。

a.TOF 法は PC 法に比べ、磁場均一性への依存度が低い。
b.TOF 法は PC 法に比べ、断層面に平行な流れを描出しにくい。
c.PC 法は、特定の流速を強調できる。
d.PC 法は、流速と方向性の定量化ができる。
e.PC 法は TOF 法に比べ、患者の動きに影響されにくい。

解答
a.○
b.○
c.○
d.○
e.×pc方は動きに弱い。
解説

(12) MRCPの撮像技術について、正しい文章を解答して下さい。

a.エコースペースの短縮は蠕動運動によるアーチファクト抑制に効果がある。
b.消化管信号の抑制に経口造影剤を使用した際、T1 強調画像では motion artifact が顕著になる可能性がある。
c.白内障、前立腺肥大、不整脈の患者には、鎮痙剤(ブスコパン)の使用はできない。
d.pneumobilia の診断には、横断像の撮像が有用である。
e.MRCP 撮像において single shot 系の高速 SE シーケンスを用いた場合、ハーフフーリエ法を用いないほうが、用いた場合と比べ遅い血流が描出されてしまう。

解答
a.○
b.○経口造影剤にはT1短縮効果があるためT1WIで消化管内が高信号となり蠕動運動などによるmotion artifactが顕著となる可能性がある。
c.×白内障は関係ない、緑内障は禁忌。狭隅角型の緑内障では急激に眼圧が上昇してしまうため。
d.○ニューモビリア(胆管内ガス)、胆管結石と誤認しやすくAxで撮影すると石は沈み空気は浮くことから区別できる
e.×ハーフフーリエを用いた方が遅い血流を描出する。
解説解説2解説(FSE)

(13) 脂肪抑制法について、正しい文章を解答して下さい。

a.CHESS 法は脂肪の周波数領域に選択的に RF パルスを照射し、その直後にデータ収集を行う。
b.STIR 法における反転時間は脂肪の T1 値を用いるのが一般的である。
c.水選択励起法はプレパレーションパルスを用いる手法である。
d.高速 GRE 法に脂肪選択反転パルスを用いることにより CHESS 法に比べ撮像時間の高速化が可能である。
e.脂肪選択反転パルスに断熱パルスを使用することでより均一に脂肪の縦磁化を倒すことができる。

解答
a.×CHESSパルス照射後、スポイラーにより位相を分散させてからデータ収集を行う。
b.× T1×0.693
c.×二項パルスを用いる。
d.×SPAIRのTI(nullまで待つ時間)は、CHESSパルス→励起までの時間よりも長い。
e.○
解説解説(GRE)

(14) GRE 法(FE 法)について、正しい文章を解答して下さい。

a.RF スポイリングによるスポイルド GRE 法はグラディエントスポイリングと比べ、TR を短くできるのが特徴である。
b.コヒーレント GRE 法において、リワインダーグラディエントが機能しないと FLASH Band が顕著に現れる。
c.エルンスト角(αE)はcosαE =exp(-T1/TR)で求められる。
d.バランスド SSFP では 1TR 内の傾斜磁場による位相分散が 0 になるので、RF の位相が多少不正確でも問題ない。
e.バランスド SSFP ではダミーパルスの印加方法、印加数により画像コントラストが変化する。

解答
a.○
b.○
c.× cosαE =exp(-TR/T1)
d.× RFの位相は正確でなければならない。
e.○バランスドSSFPではTRやTEはコントラストの指標とならない。
解説解説(GRE)

(15) 次の記述について、正しい文章を解答して下さい。

a.脳出血直後の所見は MRI では描出できない。
b.出血直後の血腫はメトヘモグロビンにより、T1 強調画像で高信号となる。
c.拡散強調画像では脳膿瘍は低信号として描出できる。
d.拡散が低下している部位は ADC map で高信号として描出できる。
e.脳膿瘍は ADC map で低信号として描出できる。

解答
a.×直後でも可能。
b.×出血直後はオキシヘモグロビンでT1低信号。
c.×高信号
d.×低信号
e.○
解説解説(DWI所見)

(16) 膵臓の MRI について、正しい文章を解答して下さい。

a.膵臓の内包する高蛋白により、T1 強調画像において腹部で最も信号の高い臓器である。
b.T1強調画像に脂肪抑制を付加することにより、膵臓の輪郭を明瞭に描出できる。
c.膵臓の腺癌は、動脈相で周囲の膵実質より強く造影される。
d.膵島細胞腫瘍の多くは、T2 強調画像にて高信号を呈し、動脈相において膵実質より増強効果は弱く、低信号域として描出される。
e.腫瘤形成性膵炎と膵臓癌の鑑別としては、内部の均一性、造影効果などが挙げられる。

解答
a.○
b.○正常な膵臓は高蛋白な内容成分のために周囲脂肪が抑制されると高信号として描出される。
c.×動脈相では実質の方が強く染まる、遅延相にて漸増性に染まる。
d.×T2で高信号、多血性であるため動脈相にて造影効果は強い。
e.○
解説

(17) 前立腺癌に関して、正しい文章を解答して下さい。

a.前立腺癌は T2 強調画像で高信号に描出されることが多い。
b.前立腺肥大症の好発部位は中心域である。
c.前立腺癌の好発部位は辺縁域である。
d.前立腺癌は拡散強調画像で高信号に描出されることが多い。
e.前立腺癌の Proton MR spectroscopy ではコリンのピークが減少し、クエン酸のピークが高くなる。

解答
a.×低信号
b.×移行域
c.○
d.○
e.×コリン上昇、クエン酸低下
解説解説(DWI所見)

(18) 次のシーケンスチャートに関する説明で、正しい文章を解答して下さい。

日本磁気共鳴専門技術者認定機構 認定試験過去問

a. スピンエコー(SE)法のシーケンスチャートである。
b. TE はチャート内の T の 2 倍の時間である。
c.チャート内から180°パルスのみを取り除くとグラディエントエコー(GRE)法になる。
d. 流速補正用勾配が付加されている。
e. チャート内の A と B の面積は等しくなければならない。

解答
a.○
b.×
c.×
d.○
e.○
解説解説(GRE)

(19) 下記の画像所見を読んで、出現する知覚障害を解答して下さい。

[画像所見] T2強調正中矢状断像でC6/7椎間板の背側への突出がわずかに認められる。同部位の T2 強調横断像で左外側への限局性突出による左神経孔狭小化が描出されている。

[出現する知覚障害]
a.左肩甲骨挙上筋部への放散痛と痺れ。
b.右示指から中指に痺れと疼痛。
c.左環指、小指内側部の痺れ。
d.右環指、小指内側部の痺れ。
e.左示指から中指に痺れと疼痛。
解答
a.×
b.×
c.×
d.×
e.○画像がないため問題文から推測
解説解説(デルマトーム)

(20) Parallel Imaging について、正しい文章を解答して下さい。

a. SENSEの展開アルゴリズムはk空間上のデータに対して行われる。
b. Reductionfactor(短縮率)を2倍にするとSNRは1/2になる。
c. Geometryfactorが大きくなるとSNRは低下する。
d. リップアーチファクトとは、折り返しにより生じるFOV中心付近のアーチファクトのことをいう。
e. Geometryfactorは撮像領域内で一定である。

解答
a.×画像上
b.×1/√2
c.○
d.○
e.×ボクセルごとに異なる。
解説解説2

第2部

(23) 高周波磁場の危険因子について、正しい文章を解答して下さい。

a. 送信コイル内に導電性の物質が存在すること。
b. 湿った衣服の着用。
c. マグネット内で頭部を振るなどの動作。
d. 人体の一部に導電性ループが形成された場合経皮的。
e. 人体を送信コイル表面に接触させて配置すること。

解答
a.○
b.○
c.×静磁場での危険因子
d.○
e.○
解説

(24) 次の記述について、正しい文章を解答して下さい。

a. 内耳では、前庭と三半規管が聴力、蝸牛が平衡感覚を分担している。
b. 中枢神経系は脳と脊髄から構成されている。
c. 下垂体後葉からはオキシトシンとバゾプレシンのホルモンが分泌されている。
d. 脳幹は中脳、橋、延髄からなる。
e. 脳神経核は中脳(動眼、滑車、三叉)橋(三叉、外転、顔面、内耳)延髄(三叉、舌咽、迷走、副、舌下)にある。

解答
a.×聴力:蝸牛。平衡感覚:前庭・三半規管。
b.○
c.○オキシトシン:子宮収縮や乳汁分泌を促す。バゾプレシン:抗利尿ホルモン。
d.○広義:間脳、中脳、橋、延髄。狭義:中脳、橋、延髄。
e.×中脳(3動眼、4滑車、5三叉) 橋(5三叉、6外転、7顔面、8内耳) 延髄(5三叉、7顔面、8内耳、9舌咽、10迷走、11副、12舌下)。神経の出る場所ではなく脳神経核が問われていることに注意。
解説解説(脳神経)

(25) トランケーションアーチファクトについて、正しい文章を解答して下さい。

a. 基本的に位相エンコード方向のみに生じる。
b. TE を小さくすると抑制できる。
c. バンド幅を大きくすると抑制できる。
d. FOV を大きくすると抑制できる。
e. 生データフィルターを使用すると抑制できる。

解答
a.×位相・周波数エンコードどちらでも発生する。
b.×関係ない。
c.×バンド幅を小さくすると抑制。
d.FOVを小さくすると抑制。
e.○
解説

(26) 医療機器安全管理責任者の業務として正しいものを解答して下さい。

a. 従業者に対する医療機器の安全使用のための研修の実施。
b. 医療機器の添付文書等の管理。
c. 患者に対する医療機器の安全性の説明。
d. 保守点検計画の策定と保守点検の適切な実施。
e. 医療機器安全使用のための情報収集、改善方策の実施。

解答
a.○
b.×
c.×
d.○
e.○
解説

(27) balanced SSFP について、正しい文章を解答して下さい。

a.balanced SSFPの画像コントラストは √T1/ T 2 * である。
b.同一断面を連続で撮像する場合の saturation 効果を防止するためには、TR を延長する必要がある。
c.TR<<T2 で TE=TR/2 に設定するのは、各エコーの位相を合わせるためである。
d.TRとTEが短いと、resonance offset angleによるbanding artifactが出やすくなる。
e.linear オーダーに対し centric オーダーの画像は、定常状態移行期の画像コントラストになりやすい。

解答
a.×T2/T1
b.×TRを短縮する。
c.○
d.×TRが短いほど低減する。
e.○解説(SSFP)

(28) 肝特異性造影剤Gd-EOB-DTPAの一般的な造影パターンについて、正しい文章を解答 して下さい。

a.肝嚢胞は動脈相で増強効果なし、肝細胞相では造影剤の取り込みはない。
b.限局性結節性過形成(FNH)は動脈相で増強効果あり、肝細胞相では造影剤の取り込みはない。
c.血管腫は動脈相で peripheral globular enhancement、肝細胞相では造影剤の取り込みはない。
d.古典的肝細胞癌は動脈相で増強効果あり、肝細胞相では造影剤の取り込みはない。
e.肝細胞癌組織内に胆汁を産生する green hepatoma は動脈相で増強効果あり、肝細胞相では造影剤の取り込みはない。

解答
a.○
b.×FNHは血管奇形などに伴い肝細胞の過形成をきたしたもの、肝細胞相で取り込みあり。
c.○peripheral globular enhancement:早期で辺縁の点状〜斑状の強い造影効果
d.○
e.×肝細胞相で取り込みあり。
EOBパターン

(29) 非造影 MRA について、正しい文章を解答して下さい。

a. 3D-TOF において下流の飽和効果を減少させるため、上流から下流方向に線形にフリップ角が増加する傾斜フリップ角法を使用した。
b. PC 法において目的血管の推定流速が 100cm/sec なので、その値を VENC に入力した。
c. Black blood MRAのdouble IRの一つ目を選択的IRとした。
d. Black blood MRA で TI を 1200msec に設定した。(1.5T)
e. 心電図同期併用のsingle-shot FSE系で、動静脈(冠状断)を高信号に描出するために、データ収集を diastole(拡張期)に合わせた。

解答
a.○
b.×最大流速×4/3をVENCに入力する。
c.×1つ目は非選択的、2つ目は選択的IRとなる。
d.×
e.○
解説(FSE)

(30) クエンチに関して、正しい文章を解答して下さい。

a. ヘリウムガスが漏れ、大気中の酸素濃度が 15%未満になると呼吸困難となる。
b. ヘリウムガスは床付近にたまる。
c. ヘリウムガスは毒性があるため注意が必要である。
d. クエンチは液体ヘリウムに浸した磁石の線材が過度に熱せられることによって発生する。
e. 精度管理のため、定期的にクエンチを行なうことが必要である。

解答
a.○
b.×空気より軽いため天井からたまる。
c.×毒性はない。
d.○
e.×不要
解説

(31) 歪みの現象について、正しい文章を解答して下さい。

a. EPI 法では、周波数方向に歪みは大きく出現する。
b. EPI 法では、ケミカルシフトと同方向に歪みは大きく出現する。
c. SE 法での静磁場不均一による歪みは、周波数方向に大きく出現する。
d. SE 法での傾斜磁場直線性不良による歪みは、周波数方向にのみ大きく出現する。
e. EPI 法での歪みの最大要因は、渦電流である。

解答
a.×位相方向。
b.○EPIのケミカルシフトは位相方向に出現。
c.○
d.×位相にも歪む。
e.×磁化率の影響が大きい。
解説(化学シフト)

(32) 3D FFE で撮像した肝臓ダイナミックの動脈優位相の画像である。矢印の部位で血管描出能が著しく低下している理由として適当ものを解答して下さい。

<写真>

a. magic angle によるものである。
b. partial volume effectによるものである。
c. TE を opposedphase に設定したためである。
d. 撮像タイミング不良によるものである。
e. flow voidによるものである。

解答
画像がなく解答不可能。aは肝臓ダイナミックでは観察されにくいアーチファクトのため違うと思われる。

(33) 化学シフトアーチファクトについて、正しい文章を解答して下さい。

a. EPI では、位相エンコード方向によく見られる。
b. 3T では化学シフトが 7ppm となるため、1.5T よりずれが大きくなる。
c. 32KHz の受信バンド幅で 256 ピクセルの場合、3.0T の化学シフトは 3.6Hz である。
d. 受信バンド幅を大きくすると、化学シフトも大きくなる。
e. 化学シフトはスライス選択方向には、見られない。

解答
a.○
b.×磁場によらず3.5ppm
c.×1pixelあたりのBWを算出し、化学シフトがどれだけずれるかを計算する。
1pixelあたりのBW=32000/256=125Hz
3Tの化学シフトは、42.6MHz/T × 3T × 3.5ppm = 447Hz
447/125=3.576pixel
Hzじゃなくてピクセル。
d.×BW大きいと化学シフト小さくなる。
e.×スライス選択方向にも見られる。
解説(化学シフト)

(34) 下図のアーチファクトについて、正しい文章を解答して下さい。

<写真>

a. 位相エンコード、周波数エンコード、どちらに出現するかで原因が異なる。
b. SENSE ファクター(coil reduction factor)を小さくすると消える。
c. 検査室のドアが閉まっていないために、発生することがある。
d. FOV を大きくすると消失する。
e. エリアシングエラーに起因するものである。

解答
画像がなく解答不可能。

(35) 正しい文章を解答して下さい。

a. 寛骨は恥骨、腸骨、尾骨からなる。
b. 肩関節腱板には、棘上筋腱、棘下筋腱、肩甲下筋腱、大円筋腱がある。
c. 足関節における外側側副靭帯は前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯からなる。
d. 前十字靭帯は大腿骨内顆の顆間窩上部から斜前下方に走行して脛骨顆間隆起の前方に付着する。
e. 頚髄神経は8対ある。

解答
a.×恥骨、腸骨、坐骨
b.×棘上筋腱、棘下筋腱、肩甲下筋腱、小円筋腱 腱板断裂
c.○
d.×大腿骨外側顆、顆間窩後側外方〜脛骨顆間隆起
e.○
解説(デルマトーム)

(36) 正しい文章を解答して下さい。

a. 下副腎動脈は腎動脈から分岐している。
b. 右総頚動脈は腕頭動脈から分岐する。
c. 左椎骨動脈は左鎖骨下動脈から分岐する。
d. 右椎骨動脈は大動脈弓から分岐する。
e. 眼動脈は前大脳動脈から分岐する。

解答
a.○
b.○
c.○
d.×右鎖骨下動脈
e.×内頸動脈
解説(頭部動脈),解説(腹部血管)

(37) NEMA 基準における SNR 測定法について、正しい文章を解答して下さい。

a. 室温およびファントムの温度は 24°±4°C とする。
b. TR≦5x信号発生領域の充填剤の T1 とする。
c. アイソセンターを中心とする単一の横断面を使用する。
d. スライス厚≦5mm とする。
e. 2回スキャンの内、第1スキャンの終了から第2スキャンの開始までの時間は5分以上とする。

解答
a.×22±4°C
b.×TR≧3×T1
c.○アイソセンターに置いたコイル中心にファントム設置、シングルスライスAxial撮影
d.×スライス厚≦10mm
e.×5分以内
解説(SNR測定)

(38) スライス厚測定について、正しい文章を解答して下さい。

a. ウエッジ法で、2対のウエッジを使用するのは、画像歪みを補正するためである。
b. ウエッジ法で、2対のウエッジを使用するのは、磁場の不均一を補正するためである。
c. スライス厚に影響を与える因子として、傾斜磁場の不均一、RF パルスの不均一、 静磁場の不均一などがあげられる。
d. 基本的にウエッジの角度をαとした場合、スライス厚はスライスプロファイルの微分の半値幅 x sin(α)で求められる。
e. ウエッジの撮像は、大きな FOV と少ないマトリクス数で、高い SNR の画像を得る事が重要である。

解答
a.×傾きによる誤差の補正(回転補正)
b.×
c.○
d.× 半値幅×tan(α)
e.×大きなFOV少ないマトリクス数では分解能が低下してしまうのでよろしくない。SNRは加算回数の増加などで補う。
解説(スライス測定)

(39) モンロー(Monro)孔について、正しい位置を解答して下さい。

1. 側脳質と第3脳室の間にある。
2. 第3脳室と第4脳室の間にある。
3. 第4脳室の正中の出口である。
4. 第4脳室の外側の出口である。
5. 中脳と橋の間にある。

解答
1.○
2.×中脳水道
3.×マジャンディー孔
4.×ルシュカ孔
5.×中脳水道

40) T1WI で高信号のメカニズムである表面効果(surface effect)の例について、正しいものを解答して下さい。

a. 脂肪組織。
b. 粘ちょうな蛋白質溶液。
c. 亜急性血腫。
d. 淡い石灰化。
e. 半月板の断裂面。

解答
a.×脂肪はT1値が低いため高信号。
b.×高分子水和効果により高信号(高分子により水分子の動きが制限される)。
c.×メトヘモグロビンのT1短縮により高信号。
d.○石灰巣がスポンジの役目をし水分子の動きを制限することによりT1短縮。
e.○上記と同じ現象が起こる。
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