本当は全血管をまとめようと思いましたがボリュームに負けました。
今回は脳血管のみとなっております。
過去問からの出題
第5回-36
第5回-36
正しい文章を解答して下さい。
a. 下副腎動脈は腎動脈から分岐している。
b. 右総頚動脈は腕頭動脈から分岐する。
c. 左椎骨動脈は左鎖骨下動脈から分岐する。
d. 右椎骨動脈は大動脈弓から分岐する。
e. 眼動脈は前大脳動脈から分岐する。
a.○
b.○
c.○
d.×右鎖骨下動脈
e.×内頸動脈
第7回-28
第7回-28
通常みられる血管の分岐について、正しい文章を選択してください(正解2つ)
1. 眼動脈は内頸動脈から分岐する。
2. 外頸動脈は椎骨動脈から分岐する。
3. 右総頸動脈は胸部大動脈より分岐する。
4. 左椎骨動脈は左鎖骨下動脈から分岐する。
5. 後下小脳動脈(PICA)は脳底動脈から分岐する。
1.○
2.×総頸動脈
3.×腕頭動脈
4.○
5.×椎骨動脈
第8回-28
第8回-28
第5回-36と同問。
第9回-21
第9回-21
Willis の脳底動脈輪を選択してください.(正解4つ)
1.椎骨動脈
2.前大脳動脈
3.前交通動脈
4.後大脳動脈
5.後交通動脈
1.×
2.○
3.○
4.○
5.○
第11回-37
第11回-37
一般的な血管走行について正しい文章を選択してください。(正解3つ)
1.右椎骨動脈は腕頭動脈から分岐する。
2.前脊髄動脈は椎骨動脈から分岐する。
3.後下小脳動脈は脳底動脈から分岐する。
4.左椎骨動脈は左鎖骨下動脈から分岐する。
5.前脊髄動脈は主として脊髄の前 2/3 部に分布する。
1.×右鎖骨下動脈
2.○
3.×椎骨動脈
4.○
5.○
第11回-38
第11回-38
一般的に最大流速が最も遅い動脈を選択してください。(正解1つ)
1. 総頸動脈
2. 椎骨動脈
3. 下行大動脈
4. 浅大腿動脈
5. 総腸骨動脈
1.×80-120cm/s
2.○30-50cm/s
3.×150-175cm/s
4.×80-120cm/s
5.×100-150cm/s
第13回-8
第13回-8
頭部の解剖に関する正しい記述はどれか。(正解 2 つ)
1. 穿通枝は中大脳動脈のみに存在する。
2. 前脈絡叢動脈は内頸動脈から分岐する。
3. 脳下垂体には血液脳関門(BBB)は存在する。
4. 黒質はメラニン色素を持っており橋に存在する。
5. 外側レンズ核線条体動脈(LSA)は穿通枝である。
1.×前大脳動脈、後大脳動脈にも存在
2.○
3.×脳室周囲器官(下垂体、脈絡叢、松果体など)では存在しない
4.×中脳に存在
5.○
第14回-49
第14回-49
3D-TOF法による頭部のMRA画像を示す。正しい記述はどれか。2つ選べ。
- A は後大脳動脈である。
- B は前下小脳動脈である。
- C は中大脳動脈 M2 部である。
- TR を短くすると末梢血管の描出能は向上する。
- スラブの流入側より流出側の FA を大きくすると末梢血管の描出能は向上する。
1.×SCA:上小脳動脈
2.○AICA
3.×M1
4.×飽和効果が強く流入効果は低くなり抹消の描出能は低下する
5.○TONE法
第15回-4
第15回-4
正しい記述はどれか。3つ選べ。
1. 左精巣静脈は左腎静脈に合流する。
2. 外腸骨動脈は大腿動脈に移行する。
3. 右椎骨動脈は大動脈弓から分岐する。
4. 後下小脳動脈は脳底動脈から分岐する。
5. 上腸間膜静脈は脾静脈と合流して門脈になる。
1.○ちなみに右精巣静脈は下大静脈につながる
2.○
3.×右鎖骨下動脈
4.×椎骨動脈
5.○
まとめ
脳動脈
まず基礎ですが最低でも主幹動脈は覚えましょう。
第14回-49の写真を引用しました。画像見づらくてごめんなさい。
赤丸は正常でも低形成であることがあります。
A1:前大脳動脈水平部、P1:後大脳動脈近位部、前・後交通動脈で低形成のことがあります。
救急などでMRAを撮影し、動脈が見えてないからということで狭窄と勘違いしないよう気をつけましょう。
上記は血流支配域です。
また、内頸動脈の解剖について簡単にだけまとめました。図は横から見ています。
動脈瘤好発部位
MRAでの代表的な所見として動脈瘤があります。
施設によりますが撮影したMRAから技師が動脈瘤を探し任意の角度でキャプチャ(保存)したりVRを追加したりなどの作業があります。
そこで動脈瘤を探さなければなりませんが、ただ漠然と探すと見つかりません。
ある程度好発部位を頭に入れておき血管1本1本を見ていきます。
「右のICからMCAを見て左も見て〜ACAを見て、BAとVAとPCAを見て〜」のように自分なりのルーチンがあれば見落としも減るんじゃないかと思います。
ただこれはカットの時に任意の角度で動かせる状態で、縦回転・横回転と決まった方向にしか動かせない時は気をつけなければ見えにくく、瘤は見逃しやすくなります。
また元画像も大事となります。
医者が見る画像は決まった回転しかしない少ない情報です。元画像もないことがあります。
そのため処理中になるべく瘤を探せたらと思っています。
認定試験では今のところ出ていませんが好発部位を上げておきます。
ここは言葉の暗記より画像で暗記できれば理想的です。実際に使う知識ですからね。
でもどうしても画像じゃ覚える気がしないという方のために、、ためになるかは分かりませんが
念のために語呂作りますね。
*あか、あかん!ムカついたらピクニック。ババァでスカッと!ばばばピカァ!!*
ACA、Acom、MCA、IC-PC、BA、BA-SCA、VA-BA、VA-PICA
後半はわからんくなりました。適当です。あかんです。
穿通動脈
基底核や視床への栄養血管です。
穿通枝とも呼ばれここが梗塞を起こすとラクナ梗塞となります。またアテローム血栓性に穿通枝の根元が詰まるとBADと呼ばれるタイプの脳梗塞となります。
横道にそれましたが穿通枝の紹介です。
下図は血流支配域です。
内側線条体動脈 MSA
前大脳動脈A1から起始。視床下部などに分布。
外側線条体動脈 LSA
中大脳動脈M1から起始。尾状核、被殻、淡蒼球などに分布。
前脈絡動脈 AChA(アンコロ)
内頸動脈後方、Pcomより末梢から起始。淡蒼球、尾状核、視索、内包後脚などに分布。
内包後脚はAChA固有の灌流域です。
上記3つは覚えた方が良いです。次にあげる穿通枝も出来れば覚えるべきですが、しんどいですからね。
視床灰白隆起動脈 TTA
Pcomから起始。視床に分布。
視床穿通動脈 TPA
後大脳動脈P1から起始。視床に分布。
視床膝状体動脈 TGA
後大脳動脈から起始。視床に分布。
内側後脈絡動脈 MPChA
後大脳動脈から起始。視床に分布。
外側後脈絡動脈 LPChA
後大脳動脈から起始。視床に分布。
本当は視床の後面〜内側や視床枕など細かい分布域がありますが試験でそこまで出題されないのではと思うことと暗記が辛くなってくるので簡単にまとめました。
脳幹の血管
以下は脳底動脈BAからの分岐となります。
①傍正中動脈 PMA
②短回旋動脈 SCfA
③長回旋動脈 LCfA
小脳の血管
MRAでパッと目に付くのは主幹動脈ですが脳底動脈BAや椎骨動脈VAから分岐する小脳の動脈もとても大事です。
MRAの処理でカットしないように気をつけましょう。
さいごに
とりあえず解剖をつらつら記載しましたが、試験では主幹動脈や穿通枝の上3つくらい覚えればいいんじゃないでしょうか。
出題
第5回-36,第7回-28,第8回-28,第9回-21,第11回-37,第11回-38,第13回-8,第14回-49,第15回-4
参考書籍
レジデントノート Vol16-No.8 P39
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