【第8回】MRI専門技術者認定試験 過去問

2013年出題、問題数40問

目次

第1部

1)MRI で使用する RF パルスについて正しいものを選択してください。(正解 3 つ) 

1.フリップ角は磁気回転比に比例する。
2.フリップ角は RF パルス強度に反比例する。
3.フリップ角は RF パルスの印加時間に反比例する。
4.RF パルスの直接作用は陽子を同位相に歳差運動させることである。
5.フリップ角は RF パルスによる歳差運動の周波数と RF パルスの印加時間の積になる。

解答
1.○
2.×比例 フリップ角θ=γB1t
3.×比例
4.○
5.○

2)基本条件:TR(繰り返し時間)= 3000ms 、TE(エコー収集時間)=90ms、 加算回数= 2 回、マトリクス=256×256、スライス数=10 枚、スライス厚=10mm.FOV = 300mm、BW=130Hz / pixel、撮像シーケンスは Spin Echo 法を使用する。この条件で撮像した時の SNR について次の記述で正しいものを選択してください。(正解 2 つ)

1.加算回数を1回に変更したときの SNR は 1/√2 倍になる。
2.BW を 65Hz / pixel に変更したときの SNR は√2 倍になる。
3.スライス厚を 5mm に変更したときの SNR は 1/√2 倍になる。
4.FOV を 150mm に変更したときの SNR は基本条件の 1/2 の SN 比になる。
5.FOV を 150mm に変更したとき、スライス厚を 20mm すると同じ SNR になる。

解答
1.○
2.○
3.× 1/2
4.× 1/4
5.× スライス厚を40mmにする。


解説

3)Gradient Echo 法について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ) 

1.静磁場強度が高くなる程、opposed phase と in-phase の間隔は小さくなる。
2.T1 強調像を撮像する際は、SNR が最大となる FA(flip angle)90°が望ましい。
3.造影を行う場合は、造影効果を考慮し TE は可能な限り最短を用いるのが望ましい。
4.バランスド SSFP ではダミーパルスの印加方法、印加数により画像コントラストが変化する。
5.コントラストは FA により変化し、30°以下の小さい FA を用いることで、T2 強調像を取得することができる。

解答
1.○
2.×エルンスト角 cosαE=exp(-TR/T1)
3.×opposed phaseのTEで撮像するとparadoxical suppressionが生じて信号低下する恐れがある。
4.○
5.× T2*WI

4)次の記述について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ) 

1.RF の波長は磁場強度に比例する。
2.磁化率効果は磁場強度に比例する。
3.力学的作用の内、トルクは磁場強度の2乗に比例する。
4.ppm で表す化学シフトは磁場強度が増大すると大きくなる。
5.磁場強度が高くなると縦緩和時間および横緩和時間が長くなる。

解答
1.×比例しない。RF波長
2.○
3.○
4.×ppmは不変。
5.×T1は延長(比例ではない)する。T2は短縮する傾向がある。
解説(化学シフト)

5)還流 MRI の記述について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.Gd 造影剤を用いた場合では T1 短縮を無視できるシーケンスを用いる。
2.ASL(arterial spin labeling)法は CBV(Cerebral Blood Volume)が算出できる。
3.ASL(arterial spin labeling)法は領域選択的傾斜磁場を用い脳血流量の評価ができる。
4.脳血流量(rCBF)は脳血液量(rCBV)と平均通過時間(MTT)から次式で求めることができる。
rCBF = rCBV / MTT
5.ASL 法で血管内のスピンを反転(ラベル)してから撮影までの delay 時間(TI)は1.5 T では 1.5 秒程度、3.0 T では 3 秒程度が標準的である。

解答
1.○
2.×CBFがわかる。
3.×スピンラベリングするために領域選択的にRFパルスを照射。
4.○
5.×磁場強度によらず適宜決める。1.5秒程度がよく用いられるが、バイパス術後や狭窄がある場合3秒ほどまで延長することもある。

6)前立腺 MR 検査について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ) 

1.前立腺がんは一般的に T2 強調画像で高信号を呈する。
2.前立腺がんの MRS は乳酸とコリン(Choline)で評価する。
3.前立腺がんは ADC マップでの見かけ上の拡散係数は低値となる。
4.前立腺がんは拡散強調画像で T2-Shine through の影響を受け難い。
5.前立腺がんは拡散強調画像で高信号に描出する場合、b 値は小さく設定する。

解答
1.×低信号
2.×クエン酸とコリン
3.○
4.○
5.×高いb値を用いる。
解説(MRSピーク)解説(DWI所見)

7)心臓 MR 検査で正しい説明を選択してください。(正解 2 つ)

1.Gd 造影剤を用いた Perfusion 撮像は正常心筋内に造影剤は灌流しない。
2.一般的に心筋壁局所運動の評価する場合はシネタギング撮像法を用いる。
3.遅延造影法では正常心筋の信号強度が無信号になる反転時間の測定が必要である。
4.正常心筋内細胞間質に Gd 造影剤が漏出されるのを観察するのが遅延造影法である。
5.Whole Heart Coronary 撮像の呼吸同期には一般的に Stimulated Echo 同期法を用いる。

解答
1.×正常心筋にも灌流する。
2.○
3.○
4.×病変部にGd 造影剤が漏出されるのを観察する。正常心筋では細胞外液腔は正常であり血流も保たれているため造影後2-3分で平衡状態となる。梗塞や繊維化などにより血流が低下し細部外液腔が増加している場合は、造影剤がゆっくり流入し流出が遅延する。
5.×ナビゲーターエコー法、横隔膜の動きを観察。

8)拡散テンソル画像について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ) 

1.灰白質の FA 値は大きく脳脊髄液では 0 に近くなる。
2.拡散テンソル画像は、最低 3 方向からの MPG パルスが必要である。
3.拡散テンソル画像は、脳や脊髄の神経線維、鞘の方向性や規制する強度を画像化する方法である。
4.FA マップ表示の基本的なコントラストは、白質は高信号、灰白質は中等度から低信号、脳脊髄液は低信号となる。
5.FA(fractional anisotropy)値は、神経線維に富む大脳白質で小さく、なかでも脳梁や錐体路は、神経線維方向が揃っているため FA 値は小さい。

解答
1. 脳脊髄液では0、白質は1に近い、灰白質はその中間。
2.×最低6軸必要。
3.○
4.○
5.×大脳白質・脳梁・錐体路→FA値大きい
解説(DWI所見)

9)次に示す頭蓋内腫瘍プロトン MRS(PRESS 法 TR/TE=2000/35)の説明について 正しいものを選択してください。(正解 3 つ)

日本磁気共鳴専門技術者認定機構より

1.アラニン(Alanin)のピークが確認できるので髄膜腫を疑う。
2.クレアチン(Creatine)のピークが大きいので悪性腫瘍を疑う。
3.コリン(Choline)のピークが大きいので細胞活性の高い疾患を疑う。
4.乳酸(Lactate)のピークが確認できるので代謝異常や悪性腫瘍を疑う。
5.N-アセチルアスパラギン酸(NAA)のピークが確認できるため神経細胞由来の腫瘍などを疑う。

解答
1.○
2.×クレアチンは変動が少なくその他信号の比較の基準として使われる。
3.○
4.○
5.×ピークは認められるが上昇してはいないと思う。
解説(MRSピーク)

10) 次の記述について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ) 

1.スピンエコー法の 180 度パルスは横磁化成分のみを反転させる。
2.スティミュレーテッドエコーを得るには 4 つの RF が必要である。
3.グラディエントエコー法の信号強度はピクセルサイズに影響を受ける。
4.同じ形状の RF の場合、印加時間を短縮すると励起周波数帯域は広がる。
5.FOV が一定の場合、リードアウト傾斜磁場強度の強いほうが SNR は高い。

解答
1.×縦磁化、横磁化どちらも反転。
2.×3つ
3.○
4.○
5.×FOV=BW/G BWも大きくなりSNRは低下する。

11)次の記述について正しい文章を選択してください。(正解 3 つ) 

1.神経鞘腫は造影効果が低い。
2.膠芽腫は造影 T1 強調画像で dural tail sign が特徴的である。
3.髄膜炎の造影 T1 強調画像では脳表髄膜に造影効果が認められる。
4.下垂体微小腺腫は早期造影 T1 強調画像で正常下垂体よりも造影効果は低い。
5.Creutzfeldt-Jakob 病(クロイツフェルト・ヤコブ病)では拡散強調画像で大脳皮質が高信号な場合がある。

解答
1.×高い
2.×膠芽腫は腫瘍周辺が染まる。dural tail signで有名なものは髄膜腫。
3.○
4.○
5.○
解説(サイン)解説(DWI所見)

12)次の記述について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.radial scan は、k 空間における軌跡が放射状であり、3D高速撮像で利用できない。
2.3D 高速 SE 法において、再収束パルス角を小さく変更しても画像コントラストは変化しない。
3.3D 高速 SE 法において、再収束パルス角を小さく変更した場合、血管内(血液)信号強度は低下する。
4.spiral scanとSSFPシーケンスと組み合わせることで更にSNRが向上し、現在心臓 MRI で頻用されている。
5.spiral scan は、k 空間における軌跡がスパイラル(渦巻き)であり、parallel imagingを併用することでさらに高速撮像化できる。

解答
1.×3D高速撮像にも利用されている。
2.×再収束パルス角を小さくするとT2緩和が遅くなるためにPDWIのようなコントラストとなる。
3.○再収束パルス角が小さいほどflow voidが強くなる。
4.×
5.○スパイラルスキャン
解説解説(3DFSE)解説(SSFP)

13)心臓 MRI について正しい文章を選択してください。(正解 1 つ)

1.Perfusion MRIには、ガドリニウム造影剤をボーラス注入し、ファーストパスによる T2*信号減衰効果を利用する。
2.Coronary MR Angiography では、通常 SSFP シークエンスに脂肪抑制や T2 prepを併用することで明瞭に描出できる。
3.心筋タギング法は、スライス内の磁化を空間的に変調させる非選択的励起パルス(SPAMM パルス)を用いてシネ撮像を行う。
4.Late Gadolinium enhancement MRI に用いられる phase-sensitive inversion recovery(PSIR)法は、IR 法よりも短時間に3D 撮像が可能である。
5.心電図同期法には、プロスペクティブ同期法とレトロスペクティブ同期法があり、フラッシュアーチファクトが発生するのは、レトロスペクティブ同期法である。

解答
1.× T1短縮効果
2.×
3.○
4.×遅延造影撮像中に造影剤濃度が変化するため至適TIの設定が困難であるがPSIRでは最適コントラストが得られる。
5.×レトロスペクティブでは発生しない。
解説(SSFP)

14)3D 高速 SE 法について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ) 

1.再収束パルス角を小さく変更した場合、SAR と SNR は低下する。
2.再収束パルス角を小さく変更した場合、画像コントラストは変化しない。
3.再収束パルス角を小さく変更した場合、parallel imaging は併用できない。
4.再収束パルス角を小さく変更した場合、血管内(血液)信号強度は上昇する。
5.再収束パルスを非選択的パルスに変更した場合、最短エコー間隔が短くなる。

解答
1.○
2.×再収束パルス角を小さくするとT2緩和が遅くなるためにPDWIのようなコントラストとなる。
3.×併用可能
4.×再収束パルス角が小さいほどflow voidが強くなる。
5.○
解説(3DFSE)

15)Inversion recovery 法を用いた場合、時間 TI における Mz について正しい式を選択 してください。(正解 1 つ)
ただし、M0:磁化、T1:組織の T1 緩和時間、TR:inversion pulse の印加する間隔

1.Mz(TI)= M0- M0 ・exp(-TI/ T1)
2.Mz(TI)= M0-2M0 ・exp(-TI/ T1)
3.Mz(TI)= M0- 2M0 ・exp(-TI/ T1) + M0・exp(-TR/T1)
4.Mz(TI)= M0- M0 ・exp(-TI / T1) + 2M0・exp(-TR/ T1)
5.Mz(TI)= M0- 2M0・exp(-TI/ T1) + 2M0・exp(-TR/ T1)

解答
1.×
2.○
3.×
4.×
5.×

16) 脳の拡散強調像(b=1000)において脳実質より高信号を示すことが多い疾患を選択してください。(正解 2 つ)

1.髄芽腫
2.脈絡叢嚢胞
3.クモ膜嚢胞
4.海綿状血管腫
5.慢性期脳梗塞

解答
1.○
2.○
3.×
4.×
5.×
解説(DWI所見)

17)下垂体の MRI で正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.T1、T2 強調像でラトケ嚢胞は脳脊髄液とほぼ同様の信号強度を示す。
2.ダイナミック造影は正常部より疾患部が早期濃染することを利用する。
3.T1 強調像の下垂体後葉の信号が消失する疾患として中枢性尿崩症がある。
4.成人の正常下垂体の大きさは年齢性別に関係なくほぼ一定での大きさである。
5.T1 強調像矢状面で周波数エンコードを前後方向にするのは下垂体後葉と斜台の脂肪の重なりを避けるためである。

解答
1.×信号強度は様々、脳脊髄液とほぼ同様の信号強度を示すこともある。
2.×正常部の方が早期に濃染。
3.○
4.×年齢性別で様々。
5.○周波数エンコード方向が上下の時、斜台の脂肪が化学シフトにより下垂体後葉に重なる恐れがある。周波数を前後にすることで避けられる。

18) ガドキセト酸ナトリウム注射液(EOB・プリモビスト)について正しい記述を選択 してください。(正解 2 つ)

1.臨床における通常投与量は 0.1mmol/kg である。
2.血漿中の R1 は、Gd-DTPA 造影剤の約 1/2 倍である。
3.健常人の場合、造影剤の約 4 割は糞中から排泄される。
4.投与後 1 分程度より肝臓の細網内皮系細胞に取り込まれはじめる。
5.NSF(腎性全身性線維症)に対して Gd-DTPA 造影剤と同様の取扱いを行う必要がある。

解答
1.× 0.1ml/kg
2.×血漿中EOBはアルブミンと可逆結合するためGd-DTPAに比べて約2倍のT1短縮効果がある。
3.○投与後 4 日目までに投与したGdの 57%が尿中に、39 %が糞中に排泄。
4.×肝細胞
5.○
解説

19) 図は右前頭葉部の脳出血の単純 MRI 画像である。正しい文章を選択してください。<写真あり>(正解 2 つ)

1.出血後、1 週間以内と考えられる。
2.血液の性状は主にオキシヘモグロビンである。
3.本画像より 1 週間後の T1 強調像において信号変化はほとんどない。
4.本画像より 1 週間後の T2 強調像において信号変化はほとんどない。
5.T1 強調画像の疾患部の高信号はメトヘモグロビンによるものである。

解答
画像がないため解答不可能

20)卵巣腫瘍の MRI について正しい記述を選択してください。(正解 2 つ) 

1.卵巣癌の充実性部分は T2 強調像で高信号を示す
2.漿液性嚢胞腺腫は拡散強調像(b=1000)で低信号を示す。
3.成熟嚢胞性奇形腫は脂肪を含むので T1 強調像で高信号を示す。
4.内膜症性嚢胞は高蛋白含有の液体を含むので T1 強調像で高信号を示す。
5.粘液性嚢胞腺腫は粘調度により T2 強調像で低~高信号の多様な信号形態を示す。

解答
1.×充実性部分は低信号。
2.○
3.○
4.×出血によるメトヘモグロビンのT1短縮効果によりT1高信号。
5.×T2WIで高信号。(粘調度により低信号化することも考えられる。)
解説(DWI所見)

第2部

21)最新の JIS Z 4951:2012 で規定されている SAR(比吸収率)について、正しい文章 を選択してください。(正解 2 つ)

1.SAR 上限値は 15 分間の一定時間で平均化された値である。
2.第一次水準管理操作モードの全身 SAR 上限値は、4W/kg である。
3.RF 送信コイル内に使用しないコイルがあってもコネクタは接続しておく。
4.全身 SAR の上限値は、環境温度が 22 °C以下であることを前提としている。
5.局所 SAR とは、一定時間に任意の身体組織 1g にわたって平均化した SAR のことである。

解答
1.× 6分間の平均
2.○
3.○
4.× 25℃
5.× 10g
解説(モード)

22)保守・点検作業について、正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.始業前または終業時に点検作業を行う必要がある。
2.MR 装置は特定保守管理医療機器に指定されている。
3.部品の交換時期は一定であり使用状況には関係しない。
4.MR 検査室や機械室の温度や湿度は MR 装置の性能や安全性には関係しない。
5.医療機器添付文書には警告、禁忌・禁止の他、保守点検に関する事項の記載がある。

解答
1.×始業前と終業時に行う。
2.○
3.×使用状況による。
4.×関係する。
5.○

24)MRI の画像評価に関して正しい文章を選択してください。(正解 3 つ)

1.基本的に SNR と CNR は相関する。
2.CNR はファントム温度に依存する。
3.CNR は空間分解能の評価が可能である。
4.差分法の SNR は信号強度×√2/ 標準偏差である。
5.パラレルイメージングで SNR を測定する時は、空中雑音法でなく、空中信号法を使用する。

解答
1.○
2.○
3.×不可能
4.○
5.×空中雑音法や空中信号法は用いない、5定点差分法を使用。
解説(SNR測定)解説(空間分解能測定)解説(CNR測定)

26)Gradient echo(GRE)シーケンスについて正しい記述を選択してください。(正解3つ)

1.balanced SSFP の信号強度は T1/ T2 にほぼ比例するので hydrography に適する。
2.3 個の α パルスを異なった間隔で印加すると 3 個の FID と 5 個のエコーが形成される。
3.第 2 の化学シフトによると 1.5 T の磁場において TE=4.5ms,9 ms であれば水と脂質中のプロトンは逆位相になる。
4.balanced steady –state free precession (balanced SSFP)では 3(X Y Z)方向の流速補償が成り立ち、流入効果とともに血管内が高信号になる。
5.第 2 の化学シフトアーチファクトは、周波数あるいは位相エンコード方向とは関係ないので、どの方向にも現れ筋肉や腸管全体を取り巻くように描かれる。

解答
1.× T2/T1
2.○
3.× 同位相となる。約2.2ms:逆位相、約4.4ms:同位相、約6.6ms:逆位相、約8.8ms:同位相
4.○
5.○
解説(化学シフト)解説(GRE)解説(SSFP)

27)balanced SSFP について正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.balanced SSFP の画像コントラストは T1/ T 2 * である。
2.TR<<T2 で TE=TR/2 に設定するのは、各エコーの位相を合わせるためである。
3.TR と TE が短いと、resonance offset angle による banding artifact が出やすくなる。
4.同一断面を連続で撮像する場合の saturation 効果を防止するためには、TR を延長する必要がある。
5.linear オーダーに対し centric オーダーの画像は、定常状態移行期の画像コントラストになりやすい。

解答
1.× T2/T1
2.○
3.×banding artifactのstopband周期は1/TRであり、TRが長いほど撮像面内にbanding artifactが増加する。
4.×TRを短縮させる。
5.○
解説(SSFP)

28)通常みられる血管の分岐について正しい文章を選択してください。(正解 3 つ)

1.下副腎動脈は腎動脈から分岐する。
2.眼動脈は前大脳動脈から分岐する。
3.右総頚動脈は腕頭動脈から分岐する。
4.右椎骨動脈は大動脈弓から分岐する。
5.左椎骨動脈は左鎖骨下動脈から分岐する。

解答
1.○
2.×内頸動脈
3.○
4.×右鎖骨下動脈
5.○
解説(脳動脈),解説(腹部血管)

29) SSFP(steady state free precession)でのブラックバンドアーチファクトについて正しい文章を選択してください。(正解 3 つ)

1. 縞の間隔は TR に反比例する。
2.スライス厚を薄くすると軽減できる。
3.対処法の 1 つに Phase Cycle 法がある。
4. このアーチファクトは、磁場の不均一に起因する。
5.off-resonance での磁化の信号強度の上昇が、ブラックバンドを発生する。

解答
1.○1/TRであり短いTRが望ましい。
2.×
3.○
4.○
5.×オフレゾナンスの位相差により信号を打ち消し合い発生。
解説(SSFP)

30)FLASH band に関して正しい文章を選択してください。(正解 3 つ)

1.T1 強調像で出現しやすい。
2.T1 の短い組織で顕著に出現する。
3.位相エンコード方向に平行に出現する。
4. 励起パルスのフリップ角が大きいほど出現する。
5.一般的には centric order に比べて sequential order で出現しやすい。

解答
1.○
2.×T2の長い組織
3.×周波数方向
4.○
5.○
解説(GRE)

31)EPIでのアーチファクトについて、正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.化学シフトアーチファクトは位相エンコード方向に出現する。
2.磁化率アーチファクトは位相エンコード方向がめだちやすい。
3.折り返しアーチファクトは、周波数エンコード方向に出現する。
4.T2 フィルタリングによる解像特性の劣化は位相エンコード方向に出現する。
5.N/2アーチファクトは周波数エンコード方向にFOVの半分だけ位置ずれする。

解答
1.○EPIは位相方向、EPI以外は周波数方向。
2.○
3.×位相エンコード方向に出現。
4.×
5.×位相エンコード方向に出現。
解説(化学シフト)

32)次の安全性に関わる文章で、正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.条件付 MR 対応ペースメーカは除細動付にも対応している。
2.条件付 MR 対応ペースメーカは 1.5 T 装置以下で検査可能である。
3.条件付 MR 対応ペースメーカでは仰臥位と腹臥位で検査が可能である。
4.条件付 MR 対応ペースメーカの本体は胸郭に埋められていることに限る。
5.ペースメーカの装置本体が身体から除去されていれば MR 検査が可能である。

解答
1.○
2.×ペースメーカーによる。
3.×ペースメーカーによる。仰臥位と腹臥位で可能なものもあるし仰臥位でのみ可能なものもある。
4.○
5.×リード線も除去されていなければならない。

33)次の SAR(比吸収率)に関わる文章について正しい文章を選択してください。(正解2つ)

1. SAR はフリップ角に正比例して大きくなる。
2.大きな被写体で電気伝導率が低い組織ほど SAR が大きい。
3.デューティサイクルはスライス数と RF パルス時間に比例する。
4.火傷を防ぐためにあらかじめ濡れたタオルを膝の間に挟んでおく。
5.QD 送信コイルはリニア型コイルに比べて SAR を約 1/2 にできる。

解答
1.× 2乗
2.×大きな被写体で電気伝導率が高い組織ほどSAR大きい。
3.○
4.×濡れたタオルは発熱の原因、乾いたタオルを使用。
5.○
SAR∝(σD(B0θR)2)/ρ
σ:電気電導度、D:デューティーサイクル、θ:フリップアングル、R:半径、ρ:密度
水分含有量の多い組織はσ電気伝導率が高くなる

34)女性生殖器について正しい文章を選択してください。(正解は 3 つ)

1.内膜症性嚢胞はチョコレート嚢胞とも呼ばれる。
2.子宮体部は子宮内膜・筋層・漿膜の三層からなる。
3.子宮体癌はヒトパピローマウイルス感染が主原因である。
4.子宮は下方 1/3 の子宮頸部と上方 2/3 の子宮体部に区別される。
5.子宮内膜直下筋層や子宮内膜は小児や閉経後女性においても容易に描出できる。

解答
1.○
2.○
3.×ヒトパピローマウイルスが関係するのは子宮頸癌。
4.○
5.×小児や閉経後女性では描出が難しいことがある。子宮の変化

35)前立腺について正しい文章を選択してください。(正解は 3 つ)

1.中央を尿道が貫いている。
2.背部より射精管が合流する。
3.前立腺がんのマーカーは CEA である。
4.McNeal によると解剖学的に4つの部位に分かれる。
5.前立腺肥大症はエストロゲンの増加が主原因とされる。

解答
1.○
2.○
3.×PSA
4.○
5.×テストステロンの分泌が下がり相対的にエストロゲンが増加することが原因。

36)T1 強調像で高信号のメカニズムである表面効果(surface effect)の例について 正しいものを選択してください。(正解は 2 つ)

1.脂肪組織
2.亜急性血腫
3.淡い石灰化
4.半月板の断裂面
5.粘稠な蛋白質溶液

解答
1.×脂肪はT1値が低いため高信号。
2.×メトヘモグロビンのT1短縮により高信号。
3.○石灰巣がスポンジの役目をし水分子の動きを制限することによりT1短縮。
4.○上と同じ現象が起こる。
5.×高分子水和効果により高信号(高分子により水分子の動きが制限される)。

37)クエンチに関して正しい文章を選択してください。(正解 2 つ)

1.ヘリウムガスは床付近にたまる。
2.ヘリウムガスは毒性があるため注意が必要である。
3.精度管理のため定期的にクエンチを行なうことが必要である。 
4.ヘリウムガスが漏れ大気中の酸素濃度が 16%以下になると呼吸困難となる。
5.クエンチは液体ヘリウムに浸した磁石の線材が過度に熱せられることによって発生する。

解答
1.×天井にたまる。
2.×毒性はない。
3.×クエンチは行わない。
4.○18%未満から酸素欠乏症が生じる恐れあり。
5.○
解説

38)心拍数を 120/分、TR=300ms、NEX=2、位相エンコード数を 256 とした場合、 位相エンコード方向に現れるゴーストの数はいくつか。(正解 1 つ)

1.1 つ
2.2 つ
3.3 つ
4.4 つ
5.5 つ

解答
解なし
間隔D=(Ny*TR*NSA)/動きの周期T
D=(256*0.30*2)/0.5=307.2pixel
位相エンコード256中にゴーストは発生しない。

39) 下図に対し正しいものを選択してください。(正解 3 つ) <写真あり>

1.烏口突起
2.棘上筋腱
3.肩峰
4.関節窩
5.関節唇

解答
1.
2.
3.
4.
5.
画像がないため解答不可能

40)下記1~6の MRI に関する学術研究を行う場合、当該施設の倫理委員会の 承認を得なければならない研究の組み合わせについて選択してください。

1 動物を使って実験を行う場合。
2 ボランティアを用いて MRI 画像のデータを取得する場合。
3 当該施設の過去の臨床データを匿名化して評価を行う場合。
4 撮像条件について無作為に選んだ施設にアンケート調査をする場合。
5 ファントム実験データを用いて観察者実験(例:ROC)を行う場合。
6 患者に対して撮像条件の比較検討のために追加の MRI 撮像を行う場合。

解答
1.×ヒトを対象とする研究でないもののため承認不要。
2.○ボランティアを用いると承認必要。
3.○匿名化しても臨床データは承認必要。
4.○無作為でもアンケート解答施設が匿名化されていないため承認必要、特定されなくアンケート調査間に上下関係がない場合は承認不要。
5.×ファントム実験では不要、ただし観察者が同定されないことが前提。
6.○臨床画像を用いるため承認必要。
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